6月28日と29日の両日に亘って日本華僑華人聯合総会の第17届代表委員会が岡山市の国際交流センターで開催された。
大会には同会加盟の20僑会・2僑校の各代表委員とオブザーバー3団体の代表および来賓、新華社と中国新聞社の記者ら併せて90人余りが出席した。
中国駐日大使館の郭燕公使、王軍参事官兼総領事、駐大阪総領事館の孫志勇副総領事をはじめ大使館、駐大阪・福岡・新潟各総領事館の代表および全日本華僑華人中国平和統一促進会(華僑統促会)の鄭正勝副会長が招きに応じて出席した。
林斯福東京華僑総会副会長が大会の司会進行を務めた。
任政光会長は開会の挨拶で“現在の厳しい中日関係のもとで、日本各地の僑会、中華学校は一層協力を強め、在日華僑華人の正当な権益の擁護に努め、各地華僑華人組織を強化し、青年・教育・文化活動を助成し、華文教育を積極的に発展させて、祖国統一大業の実現と中日友好事業推進のため積極的な役割を果たしていこう”と述べた。
会議に先立って郭燕公使が大会の要請に応えて講演し、中日関係の最近の状況と外交政策について紹介するとともに中国の経済・社会発展の状況を説明した。
僑務活動と僑団建設について郭公使は次のように述べた。80万の在日華僑華人は「中国の夢」を推進する貴重な人的資源、頼れる貴重な勢力で、華僑業務への取り組みは中国大使館の重要な使命の一つである。今年は「海外華僑優遇」プロジェクトの「行動」の年で、華僑業務は「全面的改革深化」、「法による華僑業務展開」など多くのテーマで全面的に繰り広げられ、国内外の華僑界の生存・発展に関する多くの分野がカバーされる。駐日大使館は華僑への奉仕という主旨を守り、聯合総会など日本の主要華僑団体との意思疎通と協力を維持して、これまで通り幅広い僑胞の便宜をはかり、サービスを提供していく。
講演の中で郭公使は在日華僑と華僑団体に対して次のような六つの希望を表明した。
①しっかりした立場に立ち、国の根本的利益と発展・安定という大局を守り、祖国の建設と統一の大業を支援すること。
②地元社会に積極的にとけ込み、身近な日本の友人にプラスのエネルギーを伝え、中国の発展に正しく向き合うよう働きかけ、中日関係の順調な発展のため積極的な役割を果たすこと。
③華僑業務の大きな発展のためにしっかりとした基礎を築き、両国の青少年が友好交流を進めるよう激励し、中日関係の改善・発展のための新たな原動力を与えること。
④睦まじい華僑団体を築き、新旧僑胞の一層の融合を促し、華僑団体が様々な華僑救済の仕組を探り作ることを奨励し、華僑団体を真に幅広い僑胞が信頼を寄せる精神的ふるさとにすること。
⑤文化を絆として、あらゆるものを広く受け入れ、協力・ウィンウィンの友好交流プラットホームを構築し、華僑の心と力を集めて中華文化のソフトパワーを高めること。
⑥在日華僑社会と華僑学校の優れた伝統を発揮して、引き続き華文教育の発展を促し、在日華僑の絶えず高まる教育ニーズに応えるため新たな貢献をすること。
次いで鄭正勝氏が華僑統促会の北京訪問と「華僑華人聚濠江聯誼・日本軍国主義在亜太地区罪行図片展」について報告講演を行った。この中で鄭氏は3月24日から6日間の日程で北京を訪れ、中国統促会、中央統戦部、台盟中央、中国台聯、国務院台辧、中国僑聯、台湾同学会、社会科学院台湾研究所を訪問して、両岸の平和発展、平和統一実現に貢献していくことについて意見交換した経緯を紹介した。また、鄭氏の報告講演後、大阪華僑総会の劉中耀会長より華僑統促会の関西支部設立についての呼びかけがあった。
大会は江洋龍(東京)、朱銘江(横浜)、胡森雄(岡山)の三氏を議長に選任して議事に入った。
この一年来の会務活動について温耀権事務局長が全般的な報告を行い、劉中耀次長が主に九州と中国・四国地区のブロック会議の開催と成果について報告し、いずれも了承された。また決算報告を温事務局長が、監査報告を楊忠銀監事(鹿児島華僑総会会長)が行い、若干の質疑応答ののち承認された。予算案についても格段の異見もなく原案通り採択された。
このあと、北海道から沖縄に至る各地僑会と僑校の活動と現状報告が行われた。各地報告については事前に報告書の提出があり、会議ではその要旨の報告が行われ、たがいに情報と課題を共有し認識を深めあった。
この後、任期満了に伴う会長、常務委員、監事の改選が行われ、東京、横浜、京都、大阪、神戸地区の廖雅彦、林斯福、任政光、謝成發、余凱、朱銘江、温耀権、楊正武、任書楷、高橋孟、劉中耀、于学偉、福田全啓、鮑悦初、陳明徳、金啓功の16氏が常務委員に選任され、蔡義雄(三重)、楊忠銀(鹿児島)の両氏が引き続き監事に再選された。また常務委員会より五大地区以外から常務委員を増員し、常務委員会の強化をはかるための会則改定の提案があり、全会一致で承認採択された。
続いて常務委員会を代表して鮑悦初神戸華僑総会会長が会議休憩中開かれた新常務委員の会議で任政光会長と温耀権事務局長の留任続行が全会一致で決定した旨の報告があり、議会は歓迎と支持の拍手に包まれた。また会則改定に伴い、岡山県華僑華人総会から常務委員を選任する旨の提案も承認された。
同日の会議終了後の午後6時から中華料理「又来軒」岡山駅前店で和気藹々の懇親会が開かれ、地元岡山の劉勝徳会長が各地代表を熱烈に歓迎する挨拶を述べた。懇親宴には大森雅夫岡山市長、景山貢明岡山県日中友好協会会長、信江幸雄岡山県国際課長ら日本の友人も招かれて出席し、友好交流を深めた。
翌29日午前9時から前日に続いて各地報告と意見交換が行われ、11時、楊正武京都華僑総会会長の挨拶をもって閉会となった。
大会終了後、各地の代表委員20余名は劉勝徳会長らの案内で「岡崎嘉平太記念館」を参観した。
(東京華僑総会)